日本沈没 M-3.0
【評価】 平均評価: 5.0/ 総数: 1件
大義のためではなく石堂淑朗脚本作品が2つ収録されている巻です。『曼陀羅』や『怪奇大作戦』の「呪いの壺」で見せたようなドグマは後退しているものの、やはり熊襲の古代遺跡の謎を登場させて、国家権力というものの正当性の不確かさを告発する第9話はいかにもです。このM-3.0に流れているテーマは、危機に際しても動こうとしない旧世代の保守性、頑迷さと言うものでしょうか。それに対峙するのは、俊夫と玲子、田所博士と老人、マリアと春夫、といった個人のつながりです。大義のためではなく、個人の情が行動の動機であるというのは、まさに1970年代的です。思えば同時代の四畳半フォークも極私的な世界を歌ったのでしたし、『ジョーズ』も『スターウォーズ』も社会・国家のために活躍するのではなく、個人的な事情で参加していくうちに社会・国家に貢献していた、という筋立てになっていました。だから『宇宙戦艦ヤマト』が大ブームになった時に、少なからず「時代錯誤的だ」という非難があった(子ども心に「何でそういうことを言う人がいるんだろう?」と思ったので良く覚えています)のは当然なのかも知れません。
俊夫と玲子の関係は、この辺りから一つの部屋で住むことになって、それまでハラハラしていたのが一段落。これもやはり親元から離れて「同棲時代」(由美かおる!)していた1970年代ならではなんですね。 (2004-03-06)
・ 日本沈没 M-2.0
Tag : 日本沈没
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